『USA Today』の親会社USA Today Co.(旧ガネット)は10月8日、ニューヨーク南部地区連邦地裁にOpenAIを提訴した。傘下19紙の数十万本のニュース記事を無断でGPTシリーズのモデルの訓練に使用したと主張し、2億5000万ドルを超える賠償を求めている。出版社とAI企業の著作権をめぐる争いで、また一つ重要な事案となる。
要点
1. 詳細な証拠、訴状は訓練コーパスを直接指摘:79ページの訴状によると、OpenAI社内のコーパスWebTextには同グループの記事が16万件超含まれ、うちusatoday.comだけで8万3000件を占める。また、同グループの媒体ドメインのコンテンツはC4データセット内で1億2200万トークンを超える。訴状はOpenAIの社内のやり取りも引用している。共同創業者のGreg Brockman氏はモデルが「ニュース記事のテキストを予測するのが特に得意」だと述べ、ある研究担当副社長は「ネットワークを訓練するとは、データを記憶させることだ」と語ったという。
2. GPT-5.6の出力サンプルが証拠に:訴状にはGPT-5.6の出力例が添付されている。見出しで記事を探すよう求めると、モデルは複数の節にわたる長い要約を出力し、原文の構成を再現する。対象にはThe Indianapolis StarやDetroit Free Pressなど複数の地方紙の記事が含まれる。原告は、ChatGPTの責任者が「ChatGPTが答えを出せば、元のリンクをクリックする理由はなくなる」と認めたとおり、OpenAIはモデルをニュースの「代替品」にするよう意図的に訓練したと主張している。
3. ニューヨーク南部地区の統合著作権訴訟への併合を申請:同日、関連事件通知も提出され、同裁判所で統合審理されているOpenAIの著作権侵害訴訟(MDL)への併合が求められた。原告にはすでにThe New York Timesや調査報道センター(Center for Investigative Reporting)などが含まれる。訴訟の結果は、「ウェブスクレイピングとモデル訓練」をめぐる業界ルールの境界を塗り替える可能性がある。
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